世界一を目指す

NHKの朝の連続ドラマ「まれ」で有名な辻口シェフの店、自由が丘のモンサンクレールに行く機会がありました。マスコミに出ているような店の商品は大体、記者の前ではいい格好して、実物はがっかりなんてことが多いのですが、モンサンクレールのお菓子はとてもおいしくいただけました。

 ただ、私がびっくりしたのは、モンサンクレールよりも、自由が丘の町の雰囲気です。ケーキ屋があちこちにあるのですが、どの店も「モンサンクレールには負けないぞ」「モンサンクレールに追いつけ追い越せ」ってものすごい気をはって店づくりしているように見えました。パン屋まで、「当社の職人がこんどパンの世界一コンクールにでます」って宣伝の張り紙をしていました。たった一人のケーキ屋が自由が丘という大きな町をここまで活性化させてしまったのです。
 一人の少年が18歳のときに、「世界一のケーキ職人」を目指しただけで30年後、ひとつの町がこんなにも変わってしまいます。
 仕事への姿勢というものを考えさせられました。