情報収集のポイント

誰だってリフォームは失敗したくないですよね。だからこそみなさん、たくさん情報を集めるのです。

1リフォーム雑誌

2DIY雑誌

3専門建築雑誌

4職人の親方が書いた本

5DIY会社が書いた本

6リフォームの番組

7youtubeの動画

8地元の業者の作ったホームページ

これらを見ても、情報洪水をおこしてしまい、調べれば調べるほど、わけがわからなくなってしまうと思います。

情報処理で大切なことは、「その情報を出して誰が得をするか」を考えることです。

つまり国や都道府県などの公共団体が出している情報というのは、国民や地域の人の得を第一に考えて出している情報ですから、信憑性が高いわけです。

間違いがないのは

 国土交通省の出している公共建築工事標準仕様書と、職業訓練校の出している教科書に書いていることはほとんど間違いがないと思います。たくさんの学者が検討して書いた本です。


ところが中身は退屈に感じる方が多いです。


 ただ、このような本は正確性があっても、こんな本を読んでいても、眠くなってしまう方が多いと思います。お値段も高いです。左は5000円程度、右が2500円程度します。

 なぜかというとこれは当たり前で、公務員は減点主義の人事評価になりがちだからです。

 公務員というものは仕事がうまくいって当たり前、失敗したら大きなマイナスです。

 全ての自治体ではないですが、停滞している自治体の公務員というのは、時には失敗しないように、責任を問われないように、目立たぬよう静かに大過なく公務員人生をすごさなければならない部分があります。

 停滞している自治体の公務員Aさんが「自分は国民の役に立ちたいんだ」と考えて、自主的に「建設フェア」なんてものを主催したとします。いざ建設フェアの当日、路上駐車で渋滞が起こり近隣から苦情の嵐となってしまったら、彼は評定で大減点がついてしまい、ずっと役職につけてもらえず、干されたままです。

 逆に「役に立ちたい」みたいな志もなく、ただ、上司に言われたことをだらだら行っているだけの公務員Bさんは新しいことをやらないので失敗はしないですから、年功序列で出世するのです。

 AさんとBさんの顛末を見たほかの公務員はみな新しいことは何もしなくなり、様子をうかがっているだけになります。そしてただでさえ停滞している状況がもっと停滞してしまいます。こういうのを事なかれ主義といいます。

 そのため、たくさんの実験をし、学者が検証して、素晴らしい実績も出している方法ですら、責任逃れのために誰がどうみても文句のつけようのないような無味感想な表現を使うようになるのです。

 もちろん、ためになることは書いてありますので、工事業者には役に立つと思います。

1、リフォーム雑誌での情報収集

 どちらかというとリフォームというより、リノベーション(300万から500万の大改造)に近い特集が多いかと思います。自分と感性の合う設計士が見つかればすばらしいです。

 しかし、お客様の求めることとずれていることも多いのです。「ちょっと雨漏りみてほしいな」とか「ちょっと雨戸のたてつけが悪くなったんで見てほしいな」という場合はなかなか難しいかもしれません。

2、DIY雑誌での情報収集

 DIY雑誌で気になることは、安全管理についての警告が甘すぎるのです。たとえば、足場を組んでくれる業者もあるから自分で塗ってみようなどと書いている雑誌があります。ただし、風速10メートル以上のときに足場のネットまくなんていうのは、普通の人は知識がないかと思います。足場倒すということがどういうことなのか、そして電線の危険性をDIY雑誌は何も教えてくれません。

3、建築専門雑誌での情報収集

 イタリアの大理石の雰囲気を出す磨き工法や日本の大津磨きのような美しいけれど、めったに使わない左官技術をどーんと巻頭特集で乗せていることがあります。しかし、こういったものを必要とするのは、一部の人です。一般住宅向けの普通の工事の情報が一般の人には需要があるかと思います。

 マスコミの悪い傾向ですが、子猫が猫じゃらしに飛びつくように、面白そうな技術が出てくると、本当に需要があって役に立つものをおいておいて、そちらを取り上げてしまいます。そしてその記事を見た人の建築に関する考え方を捻じ曲げてしまいます。

4、本を書いている親方はたいてい仕事がない

 たまにいますよね。NHKなどで特集された職人が、俺は○○にこだわって工事している。っていう本を出しているの。

 

 でも、トヨタの社長や三菱重工の社長がそういう宣伝本を出すことはないですよね。本を書くということは、その本は必ずライバルの日産の社長や川崎重工の社長が読むわけです。うっかり企業秘密を書いてしまったら、会社の経営に大打撃です。

 

 結局、ライバルに盗まれてもいいようなきれいごとの建前論に終始することが多いのです。

 

 また、建設業は22業種あり、本を書いている大工の親方はそのうちの1つの職種が上手なだけなのです。家全体を理解しているわけではありません。もちろん、勉強にはなりますが。どんなにその大工の親方がヒノキという木材にほれ込んでいて、ヒノキの家にこだわっていても、おうちというものは大工工事とヒノキだけで立てるわけではありません。水道工事もあれば、ガス工事もあります、屋根の工事もあります。そんな単純ではありません。

家は一つの職種と一つの建材だけで建てるわけではありません。大工はクッションフロアに関しては知識はほとんどありません。

5、ホームセンターや建材会社や書いたパンフレットを読む

 ホームセンターや建材会社は、プロでなく、一般の人に商品を売りたいのです。値下げ要求の厳しいプロに比べ、一般の人はあまり値下げ要求をしないため、利益がでやすいからです。そのため、一般の人が使いやすいようにホームセンターの出口付近に「自分でもできるDIY」のようなパンフレットをおいたり、建材会社のホームページから、その会社の建材を使った作業手順書をダウンロードできるようになっていることが多いです。でも、危険性のアピールが弱いような気がします。

危険性をアピールしたら、一般の人に商品を売れなくなる。

丸のこでなくなった指はもどってきません。グラインダーで失明することもあります。そういった先輩方の経験を踏まえて、工事業者はたくさんの安全講習を受けているのです。その安全講習について何もふれないのは、業者の良心としてどうかと思います。しかし、そういった大怪我を説明したら即座に売り上げが下がってしまいます。そのため、なかなか危険性についてのアピールをしにくいのです。

下:ホームセンターや建材会社はDIYの楽しさを一般の方にアピールしますが、事故の悲惨さは教えてくれません。右:プロが仕事に入る前に研修で学ぶ内容


6、リフォームの番組

こういう家がテレビではちやほやされがちですが、一般の人が住む家とはあまりにもかけ離れています。

7、地元の業者のホームページを見る

 注意すべきなのは、「その地域で過激な価格競争が起きていないか」です。過激な価格競争は、必ずなにか裏があります。一番悲しいことが、安い工賃のためやっつけ仕事になってしまい、職人の技が見れないことです。さすがプロという仕事が見れなくなり、お客様が建築という商品になにも期待しなくなってしまいます。

住宅金融公庫の住まいの維持管理ガイドラインが妥当

 このページを読むと「なんだ、批判ばかりでどうすればいいんだ」と思うかもしれません。住宅金融公庫がリフォームについてまとめてくれています。住宅金融公庫はあくまでお金を借りてもらうための組織であって、「建材を売りたい」とか「うちで工事をしてほしい」という下心とかはありませんので、ある程度中立かなと思われます。わたしたちプロから見ても妥当です。このページのリンク先にあるこの用紙ですが、これを参考にするのがいまのところ妥当だと思われます。

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