自分で工事すれば安くあがるのに

自分で工事すれば安くあがるのに、なんでこんなにお金がかかるの、という声をしばしば聞きます。特に電気やガスなど、建築の周辺業務の仕事を行っていたお客様や、自動車関係などの製造業で技術職についていたお客様からこんな声を聞きます。

 

 建設技術者の一般の人がもつイメージは、ビートたけしさんがコントでやっているキャラクターの「鬼瓦権三(大工、塗装工)」やマンガ「巨人の星」の「星一徹(土留め支保工)」やアニメ「天才バカボン」の「バカボンのパパ(植木屋)」かもしれません。酒とギャンブル大好きで、バイタリティーにあふれている。勉強はちょっと苦手で、体を動かしているほうが性にあってて肉体労働者になった。ただ、それはマスコミによって作られたイメージで(建設技術者としての能力ではなくそのキャラクターの人格の問題)実際の建設技術者の姿とはことなります。

 

 建設技術者はこれから建てる建築物そして修繕する建築物の状態から、重大なミス(墜落、電動工具の使用ミスによる死亡、溶接中に雨に濡れて感電、防水不良による雨漏り、地震による家屋倒壊など)が起こる可能性について排除出来るかどうか判断をしているのです。

 モルタルのひび割れを直す、ペンキを塗るなどは日曜大工の本に書いてあるように、単純な技術です。それなのになぜ、建設技術者というものが存在するかと言うと、その単純な技術の中に、万に一でもある重大な事故や、建築部品の劣化の兆しを見つけられることが重要で、建築技術者はその万が一を発見し、適切に対処する義務があります。

 ですから、その判断が出来るようになる為に国土交通省、厚生労働省では非常にたくさんの知識の習得とトレーニングを義務づけています。建設業は派遣が禁止されています。事故が起きたときに責任の所在がわからなくなるからです。アルバイトもほとんどいません。ほとんどの業務で資格が必要だからです。

 知識のつめこみよりも人間味のあって好感がもてる人が良いという意見も聞くことがあります。(○○さんなら地元の大工さんだし、いつもニコニコしていて人当たりもいいし安心。ご近所もみんな頼んでるし、今回の工事はおまかせしよう。)しかし、そんなに甘いものではありません。安全な工事の為には膨大な知識を必要とするからです。それをふまえた上でさらにお客様のおうちに上がりこむわけですから、モラルも必要とされる職業です。

 自分の家を自分自身で工事できることはとてもすばらしいことだと思います。一生の買い物に対して、愛着がわきます。ただ、お客様が日曜大工の本をみながら行った工事の経験は、建築技術者との折衝にはあまり役に立ちません。知識の幅に建築技術者とは絶対的な差があります。

 

 営業とお客様の間の会話で、「工事のついでにあそこのヒビ埋めといて、こんくらいだったら二時間くらいでできるでしょ。私やったことあるし、一万円でいい?」「いいですそれくらいサービスしておきます。」みたいなやりとりがなされることがあります。しかし、お客様から好感を得るのが目的で安易な工事をするのはそれがたとえ一部であったとしても工事の技術水準を落としかねない危険な行為だと思われます。

 

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