第一話の一番上のイラストの奥様ががっかりしています。

なぜリフォームに失敗する人が多いのか

 なぜリフォームに失敗する人が多いのでしょう。誰もが上手な人に工事してもらいたいですよね。さすがプロという仕事を自分の家にしてほしいですよね。ところが、満足いくリフォームができている人は少ないです。なぜでしょう。

本職の職人と本職でない職人の区別が外見では判別できない

 上に四人の職人(一番右の白いヘルメットの職人は数えないです)がいます。外見はほとんど変わらないとおもいます。左から防水工、大工(棟梁クラス)、高齢の大工、板金工です。みんな作業着は汚れていて、中年の経験豊かな職人に見えると思います。どの職人も一目見れば、「仕事のできそうな職人だ、頼んでみよう」となると思います。

 

 もちろん彼らはプロですから自分の職域では最高の仕事をします。しかし受けた訓練、持っている技能は全く別です。

 

下手な職人というものはいない、本職でないだけ

上は板金工のコーキング

右は本職(防水工)のコーキング


職人は常に自分の得意な仕事をまかされるわけではありません。

 

 板金工が元請けさんに壁のサッシ周りのコーキング処理をお願いされることがあります。いつも元請けさんがコーキングを頼んでいる防水工が福島で工事があり、2ヶ月ほど横浜にいないのです。元請けさんは「板金工なんだから、屋根の工事でコーキングをいつもやっているんだから、サッシ周りのコーキングだって似たような仕事だからできるでしょ」といってきます。

 

 そこで、板金工が「いや、僕は板金工で、コーキングは屋根の仕上げにちょこっとつかうだけなので、壁のサッシ周りのコーキングはできません」といったら次の仕事を板金工は減らされてしまうのです。コーキングの仕事がもらえないだけならいいのですが、「板金工さんは頼みにくいな、いつもの屋根もほかの職人に頼もう」と元請けさんに思われてしまい、本来一ヶ月に1件いただける屋根の仕事をライバルの職人にとられ、二ヶ月に一件に減らされてしまうのです。4の職人は前日の夜までに、本やyoutubeなどで、一生懸命コーキングについて勉強して当日の工事に向かいますが、悲しいかな、1年365日防水をやっている防水工の仕上がりにはとても及びません。

 

 お客様は朝、板金工を見て、「おお、仕事のできそうな職人がやってきたな」とうれしく思うかもしれません。板金工としての歴戦の経験が彼の風貌を作り上げたのです。ところが、夕方お客様は彼のいまいちなコーキングの仕上がりを見て、「プロなのになんなのこの仕上がりは?」となります。(こういうくやしい思いをたくさんして職人はうまくなっていくものなのですが、お客様には関係ありません。)「金は仕方ない、払うけど、価格に見合った工事ではない。腹が立つ。」となります。

 

 同様に、外壁のサイディング張替え工事はとても体力のいる仕事です。棟梁クラスの大工と高齢の大工はどちらも大工ですが、高齢の大工は若いころの体力はない(人間は60歳で筋肉量が30歳の時の半分になります。)ので、時々休憩しなければなりません。お客様から見ると、「なんだ、あの大工、休憩ばかりとって、やる気あるのか」となってしまいます。本来高齢の大工は「若いころの体力がないので、サイディング張替え工事はできない」と元請けさんにいわなければならないのですが、さきほどの板金工と同じように、一回でも断ったら「高齢の大工さんは頼みにくいな、ほかの職人に頼もう」と本来元請さんから月4でもらっているシステムキッチンの仕事を減らされてしまうのです。

 

 電気工事やガス工事など明らかに違う工事なら断っても元請けさんは何もいいません。しかし、自分の職域と近い分野の仕事を断ると、元請けさんに「頼みにくい職人さんだな」と思われて、本来の得意な仕事も減らされてしまうのです。

 

 自分のところに仕事依頼がきたら、最低自分でできなくても「友達紹介します」といって、仲間を元請けさんに紹介して、「職人の○○さんにたのめばなんでも解決」と元請けさんに思ってもらい、次の仕事をもらいつづけなればなりません。

 

  ここに職人の怖さがあります。元請けさんが、一見似たようにみえるけど、実は全然違う仕事をふってきたとき、得意でない仕事も「まかせてください。」といってやらないといけないことが少なからずあるのです。それが、「リフォームを頼んだら、下手な工事でがっかり」の正体です。

実は本職じゃない人が工事をやっていることが半分

 こちらをごらんください。建設技術者の職種が載っています。すべて一人前になるには10年かかると思ってください。大工ならサッシ工事、左官ならタイル工事は覚えておきたいですから、関連職種も含めれば一人前になるまでに20年です。つまり、大工も塗装も左官も板金もできるなんていう職人はありえないのです。どの職種にも一人前になるまでの10年、関連職種も含めて20年の道があります。

「本職でない問題」をどうするか

大手工務店でもミスはあります。

あまり大きな声ではいえないですが、「かわらU 保障」で検索してみましょう。


お客様ができる対策:工事中に「なんかこの人ヘタクソ」と思ったら本職ではないですから、営業や現場監督に「ヘタクソだから、変えてほしい」と一言いうのが大切。

 お客様が見て、「ヘタクソ」と思う職人はプロから見てもヘタクソなのです。

 東証一部上場企業の社員であろうが、資格をもっていようが、業界団体の推薦状をもっていようが、その職人はヘタクソなのです。

 本職ではなく、「ちょっとやったことがある」「原理はしっている」程度の職人が来ているのです。

 はっきりと営業もしくは現場監督に「ヘタクソだから変えてほしい」といいましょう。

 営業や現場監督は工事終了後に「ヘタクソだったからお金払わない」といわれたらたまったものではありません。支店長にボコボコにおこられてしまいます。

 営業や現場監督もお客様のところにうかがわせた職人が本職でないことはわかっていますので、大体の場合「あ、やっぱり代打の□□さんじゃむりで、本職の○○さんじゃないと無理か」とすぐに変えてくれます。

右の写真のお家は、十数年前のサイディング工事の際に、「ヘタクソな大工だな」と思っていたものの、「大工さんの心象を害したら嫌だな」「自分は素人なんだからプロにまかせよう」と思って「大工さんを変えてほしい」の一言を現場監督にいえませんでした。やはりそのヘタクソな大工は胴縁を入れずにサイディングを張ってしまい、防水シートとサイディングの間に水がたまり通し柱を腐らせてしまい、多大な費用がかかってしまっています。当社でもこの修理はとても大変でした。


まとめ 現場監督が本職を手配できるかが良い工事の生命線

 私たち工務店は職人の能力を常に見極めつづけなければなりません。良い現場監督を育成しつづけ、、職人に対して、厳しい視線をもって見きわめなければなりません。そうでないと信用を落としてしまいます。

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