塀の塗装はDIYの本を見ると誰でもできそうに見えます。


「基本から始める塗りのテクニック」学研より引用

塀は、本格的に傷む前なら高圧洗浄→補修→養生→塗装という普通の手順で直せます。ところが、、、、

本格的に傷んだ塀はプロでも難しい

 塀の塗装というものは、基本的には壁を塗るときに塗装屋に一緒に塗ってもらうのが最善です。ところが、一定以上塀が傷んでいると、壁を塗るときに塗装屋から、「いや、まだ塗らなくていんじゃないですか」などとかわされて、壁のように10年に一回塗らないことが多いのです。

 塀は何も手入れしないでいると30年目くらいから本格的に壊れてきますが、この修理が大変なのです。塀というものは、内側から鉄筋→ブロック→止水モルタル(水を通さないモルタル)→立体模様(モルタルについているツブツブの模様で別名パターンといってガン吹き塗装工が作ります)→塗装の順です。(注:立体模様をつけずいきなり止水モルタル→塗装や、立体模様の代わりに左官が扇模様をつくったり、タイルをはったりすることもありますが今回は割愛します)

 

 つまり塀の傷み方は

1、鉄筋まで痛んでいる(鉄工所、ブロック屋、左官工事、ガン吹き塗装工事、塗装工事で直す)

2、ブロックまで痛んでいる(ブロック屋、左官工事、ガン吹き塗装工事、塗装工事で直す)

3、止水モルタルまでが痛んでいる(左官工事、ガン吹き塗装工事、塗装工事で直す)

4、立体模様までが痛んでいる(ガン吹き塗装工事、塗装工事で直す)

5、塗装のみ痛んでいる(塗装工事で直す)

 

の5種類があるのです。これでそれぞれ直し方が違います。壁の塗装屋がなんで逃げたかというと、塗装工事のみで直るのは5の場合だけで、1、2、3、4の壊れ方の場合は、塗装屋だけでは直らず、他の職業の力を借りないといけないからです。

 

 屋根や土台がある住宅の外壁と違って、塀というものは屋根も土台もないですから、上からも下からも塀のブロックには水が入ってくるのです。そのため塀のブロックの中に入り込んだ水が外に向かってでてくると、塗装を押し上げ、もちのように膨れてきてしまいます。そのため補修のときは水分が中から押し上げてこないように、左官が止水モルタルがけずれているとこを入念にチェックして、ぬけなく穴埋めをしないといけません。これは塗装屋では絶対にできません。「左官もある程度はできるよ」みたいな塗装屋ではなく、本格的な左官屋じゃないとムリです。左官の人件費がかかってしまいます。

 経済性を考慮して、左官屋を使わずに、塗装屋が直接ブロックに直接ペンキを塗る場合は、ランデックスコートかケンエースのように水を通す性質のある塗装をしなければなりません。この二つはどちらもくせのある塗料であり、お客様にその性質をメリットもデメリットもしっかり理解してもらってから塗る必要があるため、簡単におすすめはできません。

 

 塗装屋も、せっかく仕事をいただけたお客様なので、本当はサービスで塀くらい安く塗ってあげたいんです。ところが、一定以上痛んだ塀は、上記のような複雑な痛みをしていることが多く、しっかり直すとなると、他にもブロック屋や左官屋やガン吹き塗装屋など、仲間の業者を呼んで結構な金額がかかってしまいます。

 

 複雑に痛んだ塀のしっかりした直し方と金額を説明すると、契約前でしたら、「この会社、塀の修理でこんな大金とるなんてぼったくり会社じゃない?」と思われ、お仕事をいただけず(運が悪いと「父親があやうくひっかかるところでした、ぼったくり会社です、おすすめしません。」などインターネットにかかれたりします)、外壁塗装のついでにおすすめすると、おうちの人は、「えっ外壁塗装で結構お金はらったのに、塀でそんなにとるの?」じゃあいいやとなってしまうのです。そのため、塗装屋も、一定以上痛んだ塀は、「そのままでいいんじゃないですか?」と逃げるのです。

 

 しかし痛んでいる塀の傷みは確実にひろがっていきます。ここはお客様の求める経済性とのバランスが必要です。営業の手腕が問われます。どこまで直すかで費用が全くことなってきますので、営業とお客様との話し合いで納得いく直し方をみつけなければなりません。

 たとえばカビだらけコケだらけで塗装してほしいけど立体模様がくずれているのは気にしないというお客様でしたら、塗装だけの費用で直すこともできます。臨機応変に営業とお客様で話し合わなければなりません。

下の写真の右の3分の2は「2:ブロックまで痛んでいる」、下の写真の左3分の1は10年ほど前「3:止水モルタルまでいたんでいる4:立体模様まで痛んでいるの混合」の状態のときに止水モルタル、立体模様を補修せずにそのまま塗装して年月を経たものです。

左官が止水モルタルを入れない場合は、ランデックスコートのような水を通すペンキを塗ります。

ブロックの上に止水モルタルをうっているところです。

上が止水モルタルが乾いたばかりの時。このままでも良いですが、立体模様(パターン)をつけてさらにその上に塗装をかけることが多いです。

止水モルタルの上にタイル、もしくは立体模様(パターン)とその上に塗装の例

上記5の場合。塗装のみ痛んでたら塗るだけです。

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